展覧会、最終日。会場までの電車のなかで、マイルス・デイビスキリマンジャロの娘』
とりあえず、売れた作品だけ、撮影してもらう。のこりはどうせ自分のアトリエに帰って来るのだから・・・なんていう調子なので、去年の作品もまだ撮影してない。
自分で作品をつくっていて感じる、自分の作品に対する手ごたえ、と、それを他人に観てもらって、その反応から感じる手ごたえ、とは、分けて考えなければいけないと思うのだけど、今回の展示に対する他者の反応は、悪口、苦言等も含めて、かなり刺激的なものが多くて、ぼくとしてはとても面白かった。今まで展示してきたなかで、一番面白かったかも。まあ、だからといって、ぼくに対する評価が、今回の展示によって急激に上がる、なんてことはないだろうし、ぼくの製作のスタンスが変わる、ということもないだろうけど。
実は、他者からの反応による手ごたえ、にあまり影響されてはいけないのだ。それはぼくが作品をつくっている場所とは遠く離れた場所での出来事なのだから。しかし、実際問題として、作家として生きてゆくには、他者の反応が必要不可欠なものとしてあるのだ、というのも事実。そこらへんの位置付けが、自分としてはイマイチ明確に出来ていないのだろう。
展示終了後、作品を輸送してもらう赤帽のトラックに乗せてもらってアトリエへ。ぼくは自分で車を運転しないし、車に乗る機会もあまりないので、たとえ隣に座っているのが赤帽のおっちゃんだったとしても、やはりドライブは楽しいのだった。夜のドライブは夜景がきれいで、とってもキャッチー。(バカ)
アトリエへ作品を戻してから、久しぶりにゆっくりと、散歩がてら遠回りをして駅まで歩く。夜の空気はまだ冷たいけど、冬の厳しさは感じられない。身体の芯まで、ずん、とくる寒さではなく、表面の熱だけを奪ってゆくような寒さ。こういう半端な寒さの方がかえってキツいかも。身震いがする。
途中、中学の横に生えている梅の木に、白い花がいっぱいに咲いていて、暗闇からぼうっと浮き上がっていた。梅の花を見るといつも吹き出物を連想してしまう。
と、いうことで、今回の展覧会に来て下さった方々、どうもありがとうございました。今後も、よろしくお願い致します。まだ見ぬ、未知の『潜在的な』観客の皆様も、よろしくお願い申し上げます。