●書評の原稿がはやめに仕上がりそうなら、土曜日あたりに横浜美術館のデャシャンと平塚市美術館の鳥海青児を観に行けるかもと思っていたのだが、どうも無理っぽい。良い作品というのは、読めば読むほど尻尾が掴めないと言うか、するすると掌から溢れてまう感じなのだ。読めば読むほどに魅力的で、様々な事柄が想起され、それをひとつやふたつの切り口から評することが、何とも申し訳なくも勿体なく思えてくるのだった。
●花粉症の症状が軽くなってきたのではないかなどという考えは、やはり全く甘い考えで、症状は今日あたりから、どーん、と出て来た。鼻水はある程度薬で抑えられても、鼻は詰まったままで呼吸がくるしく、ずっと口が半開きのままで、のどまでヒリヒリする。電車に乗ると、花粉症密度が異様に高くて、閉ざされた車内のそこここから、くしゃみの音、(ハナヅマリの)鼻を啜り上げる音、鼻をかむ音がたち、ひしめいて息苦しいほどだ。