万田邦敏『極楽ゾンビ/胎児教育』

●「よりぬき偽日記」(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/yorinuki-i.html)に、『If I should Fall from Grace with God(映画、読書、その他・40)』を追加しました。去年の9月から10月半ば頃までの日記を編集したものです。
万田邦敏『極楽ゾンビ/胎児教育』をDVDで観た。(関西テレビ製作のドラマダス・シリーズをDVD化したもの。)『極楽ゾンビ』(90年)は、万田氏の演出の冴えや切れが端々に感じられ、おなじ時期、同じシリーズの、黒沢清『もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵』(90年)に比べるとずっと面白い(この作品には万田氏の資質のようなものが、かなりナマで出ているようにみえる)のだが、それでもパロディアス・ユニティ時代の作品の縮小再生産という感じは拭えないと思う。これは批判ではなくて、この時期の黒沢清万田邦敏がいかに苦しんでいたかが、ひしひしと伝わってくる感じなのだ。いかにも「楽しんでつくりました」というような作品であるだけに、一層そう感じられる。と言うか、この「楽しんでつくりました」感こそが、この時期の黒沢氏や万田氏を縛っていた強い抑圧であるように(あくまで、今となってみれば、なのだが)思うのだ。(でも、リアルタイムで観ていたら、凄くハマったと思う。)