08/05/21

桜金造の怪談が面白いという話を聞いて、ちょっと検索してみたら、その時聞いた話でぼくが一番好きだった「いるよ」という話を、本人が公式ホームページの「金造の怖い話」というコーナーで書いていた。ただ、文字として読むと、話で聞いたほどは面白くない。(聞いた話はもっとシンプルだった。)このコーナーで一番面白いのは、二話-ニ「幽霊はどこにいる」~タクシー~という話が、すごく中途半端なところで「つづく」になってしまってその先がない、というところだ。えっ、そこで「つづく」って...、という肩すかし感が、絶妙に気持ち悪くて面白い。。
あと、「一ミリの女」という話と「恐怖の千切りキャベツ」という話が「2ちゃんねるの過去ログ」で読める。これは本人が書いたものではないけど、話をこのくらいシンプルにした方が面白い。(夢のなかでいつも助けてくれるおじさんがいきなりトンカツ持って遊びに来て、それを自然に受け入れるって、すごくいい話だ。)
以下引用。
●《2 名前: 1ミリの女じゃ無かったですか? 投稿日: 1999/12/03(金) 06:25
ある知り合いが、ずっと、部屋に閉じこもったままなので(数日間も) 
心配になって、友人と様子を見に行った。 
玄関口で、「お前どうしたんだよ?」などと聞いても「いや、女がよ」 
としか言わない。(女が寂しがるから部屋から出られない) 
「おんな おんなって、おまえ 何処に女なんかいるんだよ!」 
と言って、一歩踏み込んだとき、ふと横をみると、タンスと 
壁のあいだの約1ミリの空間に女が居てこちらを「じぃ」っと 
睨んでいた。 
と言う感じの話しでした。桜金造の怪談は非常に面白いです。 
私のお気に入りは、「恐怖の千切りキャベツ」とか言うやつ。 》
●《4 名前: 一部うろ覚え 投稿日: 1999/12/03(金) 23:30
いつも、夢の中に出てきては助けてくれる人が居た。 
誰かに追われていたら、かくまってくれたり、溺れていたら 
引き上げてくれたり。実際には会ったことがないけれど 
とにかく、夢の中でピンチを救ってくれる人だった・・・。 
ある日、寝ていると、誰かが来た。 
「いやぁ、来ちゃったよ!」 
見ると、その、夢で会うおじさんだった。 
でも、何故かまったく不思議な感じがせず(会ったのは初めてなのに) 
「あぁ良く来てくれたね」と言って部屋に上がってもらった。 
「途中でトンカツ買ってきたから一緒に食べようよ」 
と言うので、「あぁいいね!じゃぁ俺、キャベツでも切ろうか」 
と言って、キャベツを切りながら二人で楽しく話しをしていた。 
すると、途中から、おじさんの返事が返ってこなくなった。 
「あれっ?」と思うと突然辺りが真っ暗になり、気が付くと 
ベット(ふとん?)の上にいた。 
「なんだ夢か!」「そりゃそうだよな」などと考えながら、 
起きたついでに、のども渇いていたので、台所に水を飲みに 
起きていくと・・・・・・・・・。 
そこには、さっき自分が切りかけていたキャベツの千切りが 
あった・・・。 
と、言うような話しです。》
●どれもごく単純な構造の話なのだけど、自分の脳の一部が、自分の意志とは切り離されて自動的に作動してしまい、それをあたかも外からやってきたもののように別の自分が感じる(見る)、みたいな感触がとても面白い。特に、「千切りキャベツ」の話は、ぼくにとっては怪談ではなく、「幸福そのもののあらわれ」のように感じられる。
●「恐怖の千切りキャベツ」は、いまおかしんじの映画『おじさん天国』(以前に書いた感想、12。)にも通じるかんじがちょっとある。