国分寺スイッチポイントで「希望の技法」(榎本裕一、はい島伸彦、福田文彦、吉尾幸一郎)http://www.switch-point.com/2009/0920aoh.html。オープニングがすごい盛況で、美術関係の知り合いの人や初対面の人と一日で大勢会って、目が白黒した。それで展示がゆっくり観られなかったので、会期中にもう一度改めて観たい。はい島さんが武蔵美で教えているのと、場所が近いこともあってか、武蔵美の学生がたくさん来ていた。アニメって偉大だなと思ったのは、二十代の人とでも普通に話が通じるところ。最初、無難に通じそうな『エヴァ破』の話をしていたら、わたし、『母をたずねて三千里』がすごい好きなんですよ、とか言う。いや、ぼくリアルタイムで観てましたけど…、みたいな。大学のイメージライブラリーで普通に全部観られるという。さらに、ユーリ・ノルシュテインとかシュヴァンクマイエルとかが普通にレクチャーに来るという。ノルシュテインなど、ソ連崩壊後はお金がないらしく、かなり頻繁に来るのでありがたみが薄れたくらいだ、と。大学って豊かだなあ、と、うらやましく思う。
はい島さんが紹介してくれた、郷くんという武蔵美の学生の作品(ペインティング)をファイルで見せてもらったのだが、これがすごく良さそうな、是非、実物を観てみたいと思うようなもので、強く印象に残った。下手をすると、展示してあった作品よりも印象が強いくらい。21歳だというので、ぼくが大学に入った頃に生まれた人だ。現代絵画のトレンドとかとはほとんど関係ないような、オーソドックスで質の高い仕事を、大学に入ったばかりの人がさらっと出来てしまうというところに、やっぱ才能なんだよな、と、うらやましく思うのと同時に、「絵画の不滅性」を感じもして、とても勇気づけられた。美術界の言説とか、マーケットの動向とか、社会の現状とかとは関係なく、数としては少なくても、良い画家は次から次へとあらわれる(功利的な意味では、今の社会で絵を描くことなど何の得にもならないのは分かり切っているはずなのにもかかわらず)。だからこそ、ぼくも絵を描いていられるし、それが正しいのだと思える。希望というのは、そういうことだし、そこにしかないと思う。
友人から、東京国立博物館若冲の「動植綵絵」が三十幅すべて展示されていると聞き、今までそれを知らなかった自分に驚く。早速、明日、出かけなくてはならない。酒飲んでる場合じゃない。