三菱一号館美術館の「オルセーのナビ派」展、よかった。いうまでもなくボナールが圧倒的にすばらしいのだけと、ヴュイヤールの「エッセル家旧蔵の昼食」という絵がすごくよかった。あと、ヴュイヤールが絵付けした磁器の皿がよかった。こちらは現代風というか、村瀬恭子みたいな感じ。
ものすごくすばらしい展示というほどではないのだけど、全体の絵画濃度が高く、腰が痛くなるまでじっくり観た。
●ぼくももう人生の残りもそんなに長くないのだから、古典回帰してボナールみたいな画家を目指すべきではないかと、ボナールの大作「ブルジョワ家庭の午後」の前でため息をつきながら思う。いや、もう、こういうのが好き過ぎるんだからしょうがないでしょう、と。「格子柄のブラウス」のグラスの描写なんてもう、なんというか、たまらなくて、脳がとろけそうだ。
●絵の具の絵画とイメージの絵画というのがあるなあ、と。ボナールは代表的な絵の具の絵画だけど、ヴァロットンはイメージの絵画、というように。クールベは絵の具の絵画で、マネはイメージの絵画。で、セザンヌマティスはそういう範疇にはいらない。たぶん、別の次元を見ている。