大江健三郎『水死』を半分くらいまでと、福永信「一一一一」(「すばる」1月号)を読んだ。『水死』は、ぼくにとっての大江健三郎の面白いと思う点と、あまり面白くないと感じる点との、両者の力がどちらに転ぶでもなくずっと拮抗していて、それが今後、どちらに、どのように進むのかもまったく読めない展開で、そういう意味ですごくスリリング。「一一一一」は、ぼくが今まで読んだ福永さんの小説で一番わかりやすくて、途中の転換や飛躍まで含めて、すっきり、きっちりと決まっている感じ。福永さんの小説をこんなにさらさらと滑らかに読めたのははじめて。普通に面白く読めるし、すごく精密にできているとは思うけど、これではちょっと決めすぎというか、均しすぎなのではないかという気もする。
●問題発生。今年の用事はまだ終わってなかった。しかも、いったん気を抜いてしまったので、これからモードを切り替えるが大変。