08/04/17

●お知らせ。今日発売の「美術手帖」五月号(特集あらうんどTHE会田誠)に、「先生、僕に「絵画」を教えて下さい!」というタイトルで、会田誠、彦坂尚嘉、辰野登恵子との座談会が載っています。カラー写真付き。ぼくは真っ赤なジャージを着ていますが、これは、人気有名アーティストや大御所の方々に気圧されないように、気合いを入れて行ったということのあらわれです。つまり、それだけビビっていたということです。
タイトルからして、会田さんの「ネタ」っぽさ全開で(とはいえ、ネタの一端を担うにはぼくではあきらかに役不足で、「岡崎乾二郎」という名前がない時点で、そもそもネタとしてはインパクトに欠ける、ということになると思うのだけど)、このお話を受けるかどうかはかなり迷ったのですが、お会いした印象では、ネタ感はむしろ希薄で、会田さんは、思いのほか真摯で率直な方だと感じました。ただ、座談会中の辰野さんの発言にもあるのですが、「その正直さって本当なの」という疑問がないわけではありませんが。
もともとぼくと会田さんとでは、美術に対する考え方が根本的に違うし、何よりも作家としての評価が天と地ほど違うわけで、まるっきり違うからこそかえって話しやすかったという感じは、ぼくの方としてはありました。紙面では採録されていないローカルな美大ネタみたいな話で、ああ、同世代なんだなあ、と感じるところも多々あったりもしました。実はぼくは、会田さんの学部の卒業制作「死んでも命のある薬」を、リアルタイムで芸大の卒展で観ているのでした。会田さんのモチベーションを支えるものとして根強くあるように感じられる、80年代後期から90年代初頭くらいのバブリーな日本のアートシーン(というか、美大シーン?)への違和感や嫌悪感みたいなものも理解出来ないではないし、会田さんの仮想敵である「抽象画」というのは、おそらくそういうものの象徴なのだろうとも思いました。会田さんからみれば、ぼくなんかは、その敵の末裔のザコキャラみたいな感じなのだと思います。
雑誌全体(会田さんの特集だけじゃなく)をパラパラと眺めて改めて思うのは、自分がいかに「現代アート」の世界から浮いているか、ズレているか、場違いであるか、という感じです。そんなこと今頃気づいたのかよ、って話ですが。