●お知らせ。けいそうビブリオフィルでの連載「虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察」の第四回「冥界としてのインターネット 「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」と「serial experiments lain」」(1)を公開しています。
http://keisobiblio.com/2016/06/22/furuya04/
八十年代初頭の「ビューティフルドリーマー」のコンセプトが、「もし、村全体が竜宮城へ行っていたとしたら、それでも時間は流れたと言えるのか」というものだったとして、九十年代中盤以降のインターネットの一般化によって世界のあらゆる場所が緊密に関係するようになって、現実空間の全体から「一つの村」だけを「夢」として切り離すことができなくなり、それでも「竜宮城」を成立させようとすると、「もし、宇宙全体が竜宮城へ行ったとしたら」という「エンドレスエイト」のような物語を考えざるをえなくなった、というのが前回の話でした。それはおそらく、科学の発達によって、「星の彼方に天国がある」というイメージが成立できなくなった(宇宙は、どこまで進んでも「この世」である)ことと似ているかもしれません。
あの世があるとしたら、この世とは「別の次元」を考えなくてはならなくなります。そして今度は、インターネットがその「別の次元」を想像するための有効な基底材となり得たのが九十年代の後半で、そこで「攻殻」や「レイン」のような物語が生まれました。前者は科学的世界観に基づき、後者はオカルト的想像力に基づいて、冥界=インターネットという想像力を行使しています。そういうことについて書きました。
●横浜のそごう美術館で、国吉康雄展を観て、その後、蒲田で、鎮西尚一さん、黒川幸則さん、山形育弘さん、渡邉寿岳さん、堀禎一さんとお会いして、『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』(黒川幸則)のチラシとチケットを頂いた。今春という店で餃子とビール。
下のリンクは映画の公式サイトで、ぼくの書いたコメントも読めます。
http://villageon.ooo/