●二年くらい前の記事だけど、ビットコインブロックチェーンにもともとあった理念が分かりやすく書いてある。「(こども版)ビットコインの存在意義」(ビットコイン研究所ブログ)
http://doublehash.me/what-bitcoin-for/
《いまのお金、ドルやユーロや日本円など、すべての国のおかねは、法律と、それを守らせるための警察力や軍事力によって、価値をまもってきました。たまに守れなくてパーになってしまう国もありますけども。》
《だから、米ドルはすごくて、あれだけたくさん好き放題の紙を印刷していても、それを受け入れないと脅かされたり、中国や日本だってたくさんの米国債というやつをもっているんだけど、売ろうと思っても、売ることはできません。アメリカ怖いから・・・。》
ビットコインは、世界の人のための、世界のお金になれるかもしれない。だから、馬鹿にしている人がどれだけたくさんいても、真剣に取り組んでいる人もいて、どれだけ馬鹿にされようが、真剣にこれをやっています。私もその一人です。》
《世の中には、貨幣が強くない国の人もいます。例えば、アルゼンチンや、アフリカ諸国、北朝鮮のお金だってそうです。みんな国と一蓮托生で、彼らには、自分たちの弱い通貨で生活するしかないのです。日本の円も最近はすこし弱くなっていますよね。でも、ほかに選択肢がありません。》
《インドの人は、世界中で仕事をして、母国のひとに仕送りをしています。その額は、なんと年間で8兆円以上になります。でも、これらの送金は、みんな稼げるお金がすくないので、だいたい一回に1万円くらい。こんな貴重なお金なのに、いまのシステムをつかうと、15%から20%もの手数料をとられてしまうのです。》
《私達は、インターネットによって、世界の裏側にも、ヒマラヤの山奥にも、情報を届けることができるようになりました。ほとんどゼロのコストで、一瞬でです。でも、価値を移動するには、まだたくさんの手間と手数料がかかっています。今のお金は、世界の人が使うには不便すぎます。》
フェイスブックツイッターで良いことを発言して、1000も2000ものイイネがついても、そのひとは何も対価を得ることはできませんでした。むしろそれで、儲かっているのはツイッターのプラットフォームです。》
《ネパールで困っている人がいても、そのひとたちにお金を届けることは簡単ではありません。途中でだれかに中抜されるかもしれません。》
《1セントでいいから送りたいと思っても、地球の裏側にいるひとが名前もわからないネットのだれかに1セントを送ることはできませんでした。》
ビットコインは、こうしたことを変える可能性と力をもっています。私達のためのインターネットのお金です。世界中の人が、すぐに、確実に、安全に価値を交換できれば、世界はもっと創造的で、もっと善意のあふれたものになるでしょう。》
●現状の政治の硬直化をどうにかするには、旧態依然とした選挙制度を改める必要があると思われるが、しかし、それが出来るのは現状の選挙制度で勝ち上がった人たちだけなので、実際にはきわめて難しい(既得権者は、自分たちに都合のよいようにルールを変える、このような既得権による「身分」の固定は社会の至るところで起こっている)。しかし、新たな技術がもたらされ、それが社会的に充分に受け入れられれば、政府もそれについて検討しないわけにはいかなくなる、と。
「Blockchain Voting May Lead to Liquid Democracy Globally in 20 Years (ブロックチェーン投票は、20年後の世界の液体民主主義につながる可能性がある)」
https://cointelegraph.com/news/blockchain-voting-may-lead-to-liquid-democracy-globally-in-20-years
Bitcoin Blockchain Specialist, Bjorn Bjercke sees the eventual adoption Blockchain voting as an inevitable phenomenon. Bjercke forecasts a gradual implementation of the process from smaller settings like voting on "America’s got talent" or "Idol".》
(ビットコインブロックチェーンスペシャリスト、Bjorn Bjerckeは、ブロックチェーン投票の最終的な採択は必然的な現象だと見ています。Bjercke氏は、「アメリカの才能」や「アイドル」に投票するなど、より小さな設定からのプロセスの段階的な導入を予測しています。)
《Bjercke says: “Governments are slow, so I think Blockchain needs a much broader use and acceptance before they will embrace the development of a POC for governments elections on representative democracy like we have today. But here comes the twist. When you change the system you can change society.”》
(Bjerckeは次のように述べています。「政府は遅いので、今日のような代表的な民主主義の政府が、選挙のためのPOC(概念実証)の開発を受け入れる前に、ブロックチェーンのもっと幅広い利用と受け入れが必要だと思う。しかし、ねじれが来ます。あなたがシステムを変更する時、あなたは社会を変えることができます」)
POC(Proof of concept)とは、新しいアイデアが実現可能か試すために、簡単かつ不完全な形で実現化してみること。
《In 20-30 years from now, you will experience liquid democracy. With the use of Blockchain, we will be able to give our votes on the issues that concern us and give away our votes on the issues that do not concern us much. This will effectively give us a hybrid between direct democracy and represented democracy aka liquid democracy.》
(20-30年後には、あなたは液体の民主主義を経験するでしょう。ブロックチェーンを使用することで、私たちは懸念する問題に投票し、あまり関心のない問題への投票を放棄することができます。これは、直接的な民主主義と、代表的な民主主義とのハイブリッドの効果をもたらします。)
●勿論、悲観的な見方も。ブロックチェーンの専門家、Daniel Maloneyの言葉。
《People will distrust any voting platform, no matter what, even if it's a perfect system. It's human nature to spin untrue narratives and conspiracy theories based not on fact, but cognitive bias.》
(人々は、たとえ完璧なシステムであったとしても、投票のプラットフォームを信用しないでしょう。事実ではなく、認知バイアスに基づいて、虚偽の物語や陰謀論を振りかざすのは人間の本性です。)