●お知らせ。これを書いている時点でもう昨日のことになってしまいましたが、5月18日の東京新聞の夕刊に、品川の山本現代でやっている小林耕平「あくび・指南」展についての美術評が掲載されていたはずです(まだ確認できてない)。
このテキストは、作品についての具体的な記述を全くしない(しかしそれが、作品への忠実な言及となっている、はず)という、いつもとはかなり違った書き方にトライしたため、時間もかかったし、ない知恵を絞って絞って書きました。
●今、カンヌに『寝ても覚めても』を出品中の濱口竜介監督の中篇、『天国はまだ遠い』(38分)が、18日から24日まで、下のリンク先で観られることを知った。
http://www.lecinemaclub.com/
ぼくは、濱口竜介は『PASSION』しか観ていない。それ以降の作品を観ていないということは、『PASSION』を観て、すごいと思った反面、後半でやや引いてしまったところもあり、それ以降はそれほど積極的に観ようとまでは思わなかったということがある(別に避けていたわけではないから、何かきっかけがあれば観たかもしれなかったが、結果として「きっかけ」がなく、今まで観ていない)。
『天国はまだ遠い』を観て(基本的に『PASSION』と作風はかわっていないのだなあと思ったのだが)、とても面白く、クライマックスと言える「撮影(憑依)」の場面を、「ケレンなしの正攻法で通す」という生真面目さこそがこの映画のキモになっていると思った。そのような態度(過度とも思える生真面目さ)についてどう考えればよいのかについては、この中篇映画一本を観ただけでは何とも言えない(あと、ラストの「好きだ」というのをどう考えればいいのかも、一回観ただけではよく分からない)。ただ、この監督が『寝ても覚めても』を撮ろうとしたことの必然性のようなものは強く感じられた。
『寝ても覚めても』は観にいきたいと思った。