2024/02/19

⚫︎通っていた小学校では、ぼくが低学年の時にはまだ、校内の一角に古い木造校舎が残っていた。木造校舎には、低学年向けの小さな図書室があった。この木造校舎と図書室について、十二年前のぼくは次のように日記に書いていた。

『きこえる?』を探している時に『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』というタイトルの背表紙を見つけておーっと声を出しそうになった。これは小学校一年生の時、はじめて学校の図書室で借りてはじめて「最後まで読めた本」だ。そしておそらく、その後も何度も借りて読んだ。小学校は、普通の三階建ての鉄筋コンクリート校舎が二棟あり、それとは別にプレハブ建ての校舎もあったのだが、さらに校庭の片隅にぽつんと古い平屋の木造校舎が残されていて、一年生の確か五クラスほどが木造校舎を教室としていた。木造の教室は他よりも広く、外に板張りの廊下があり、廊下から一段低くなったところが三和土になっていて、その先に壁があり窓があった。だから通常の廊下の二倍以上の広さでゆったりしていて、天井も高く、廊下は半分屋内で、半分屋外のような感じだった。そして埃っぽかった。木造校舎とつながって大きな木造の講堂があり、講堂のすぐわきに、低学年用の本だけが並ぶ(ちゃんとした図書室とは別の)小さな図書室があった。重たいガラス張りの引き戸を軋ませながら開くと中は教室の半分より小さな部屋で、記憶では大きなストーブが部屋の真ん中にあった気がする。半分吹きさらしのような廊下から入ると紙の匂いがこもっているのとぼうっした暖かさを感じたという記憶がある。背の低い本棚が壁の三方に並び、もう一方はカウンターだった。絵本や図鑑、それからマンガで読む偉人伝や科学の図解などが置いてあった。ぼくは低学年の頃はほぼ図鑑しか借りなかったと思うのだが、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』は何故か繰り返し読んだ。本をよく読む子供ではなかったが、多分、その部屋にいるのは好きだった。

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この木造校舎の記憶はけっこう強烈に残っていて、今でもふっとその感じを思い出すことがある。久々に木造校舎を思い出し、通っていた学校の名前で検索してみたら、なんと学校のWikipediaが存在し、そこに、木造校舎の古いモノクロの写真があって、うっ、と声が出た。確かにこれで間違いないと思う。

写真の、向かって右側の入り口を入ると右手に講堂があって、講堂の前に図書室があった。前にある畑は、ぼくが通う頃には校庭になっている。