2024/05/20

⚫︎『蛇の道』に限らず、ぼくにとっては、黒沢清の1997年と1998年の作品はすべて、それ自体で過不足なく完璧な作品なので、それを今さら本人がリメイクするという事実を、なかなか受け入れられない(別の監督がアプローチを変えて、というなら分かるが)。たとえ、リメイクされた『蛇の道』が完璧に素晴らしい作品であったとしても、この違和感はかわらない。

(90年代の黒沢清はあからさまに「男の映画」の作家だったので、男性=哀川翔と女性=柴咲コウを入れ替えたらどうなるかというコンセプト、というかチャレンジ、は、分からなくはないが…。)

(いや、柴咲コウは、哀川翔なのか、香川照之なのか。)

97年と98年に高みを極めた黒沢清が、その翌年の99年に作った凪のような作品『ニンゲン合格』と『大いなる幻影』が、ぼくはすごく好きです。