あついあついあつい

今日のようなおそろしく暑い日の日記に、暑い暑いという言葉をやたらと書き込んでしまうのは、あまりに芸のないことだとは分かってはいるのだけど、あんまり暑くて頭が働かず、自己抑制を失ってしまっているので、平気で何度も暑い暑い暑い暑いと連呼してしまうのだ。熱風が吹き荒れ、木の葉が沸騰したお湯のようにざわざわとざわめき、眩しく照り返す地面にくっきりと黒く映ったその影も揺れ動いていて、遠くでブーンとうなる音をたてて草刈り機が回転する刃で生々しく茂る草を切り倒していると、破裂した葉脈から草液の粒子が空中にばらまかれ、そこから鼻先につきつけられた濃い青汁のような匂いがもわぁっと流れてくるのだ。熱せられた風にのって。その風はそのまま、強い日光に照らされて水気を失った野球場の赤土をもうもうと舞い上げて、それをその先にある道路や団地の方へと運んでゆくのだ。バラバラバラバラとヘリコプターが音をたてて雲のないややうつろに霞んだ青い空を飛んでゆき、救急車のサイレンがピーピーと騒ぐように響いているのだ。