●細い枝道から大通りに出るためにカーブを切る大きなトラックの荷台の側面に朝方の角度のある強い日光が反射してギラッと光り、その眩しさに日の光の強さを意識する。アスファルトの地面も強い光を照り返していて、その地面を、空を飛ぶカラスの影が一羽また一羽と滑ってゆく。ビルの壁には街路樹の影が落ちて、葉の1枚1枚までくっきりと浮かび、木の枝が風で揺れると、影はぐにゃくにゃと妙な動きをして形をかえる。揺れている葉の緑の濃さも目の端から侵入する。空は抜けの悪い重たい青で、そこから光が降っている。上着を脱いで手にひっかけているおっさんのワイシャツの白が目に突き刺さる。