●今週の月曜日に髪を切ったのだけど、ぼくがいつも行く美容院は線路沿いの建物の二階にあって、線路側が一面大きなガラス窓になっている。月曜はとても天気が良くて、強い日射しが、線路脇の、もくもくと言うか、もりもりという感じで旺盛に繁っている紫陽花の葉に当たっていた。それを、二階のガラス窓からやや俯瞰ぎみの視点から観ていた。紫陽花は、線路の敷地内に、線路とその外側の細い道とを仕切る仕切りに沿って、数十メートルに渡っていくつも植えられていて、その葉っぱが、仕切りから道路の側へとこぼれ落ちそうな勢いで繁っていたのだった。今日、雨のなか傘を射してその前を通ったら、紫色の花が、いくつかちらほらと見られた。紫陽花といえば梅雨の時期の花で、実際に強い日射しにはあまり強くないらしいのだけど、ぼくにとっての紫陽花の強い印象は、そのはかなげな花というよりも、花が終わってしまった後でも、夏の強い日射しのなかで、内側から外側へと溢れ出すように広がって繁る、その過剰なくらいの旺盛さの方にある。つまり、雨とセットになっている花ではなく、初夏の強い日射しとセットになっている、その太い茎と力強い葉のひろがりとして、いつも思い出される。