●阿佐ヶ谷美術専門学校でレクチャー。内部の学生より、外部からの聴講者の方が多い。とはいえ、あくまでこじんまりした感じ。全員の顔がはっきり見えるくらいの、このくらいの少人数の方がかえって緊張する。緊張するというか、大きなテーブルのまわりに、誰でもが発言できる会議みたいな感じで集まっているのに、自分一人だけがずっと喋っていることの不自然さに慣れない。(喋るということは、やはり「その場にいる人に向かって喋る」ということで、「その場」や「そこにいる人」に強く規定されるということを、改めて感じる。)
呪怨2(劇場版)』の一部分を観ている時、学生(女性)が(部屋を暗くしているのに顔色がかわるのが分かるくらいに)マジでビビっていて、すごく悪いことをしてしまったと後悔する。(でも、ぼくには、ホラーが「怖い」という感覚がイマイチ分からないので、そうか、こういう風に「怖い」のか、と分かった気がした。)一応事前に、「ホラーが駄目な人いますか?」と確認したのだけど(でも、そういう時、「あっ、私はちょっと」とか、なかなか言えないかも)。
レクチャー終了後、外部から参加して下さった方々と、高円寺駅近くのチェーンの喫茶店で少し話しをした。入口近くの席で、店内は暖房が効いているのだけど、自動ドアが開く度に外からの冷たい空気が入ってきて、それがなかなか混じらない不安定な空気で、体の表面は火照って寒くはないのに、妙に芯が冷えていて、ああ、この感じが「冬」だなあと思った(喫茶店の向かいにあった「和民」のでっかい真っ赤な看板と、急速に暮れて暗くなってゆく外を見ながら)。
あと、はじめてトビウオを食べた(ガード下の一角を、透明なビニールシートで囲って、会議室にあるようなチープな折り畳み式テーブルを並べただけ、みたいな、いい感じの外観に惹かれて入った居酒屋で)。