●ある夢からもう一つのまったく別の夢へと唐突にとんだ。最初に見ていた夢は、現実の自分ととても近い設定の夢で、現実の昨日の出来事にかなり近いことを夢で見ていた。そしてそこから、夢から目覚めるというかたちで、まったく違うもう一つの夢へととんだ。もうひとつの夢でも、その前の夢の記憶をそのまま引き継いでいた。つまりその時の感覚は、ある現実からもう一つの現実へ、夢から目覚めるというかたちで唐突に移行したという感じだった。前の夢の記憶をそのまま保持して次の夢へとんだのだから、次の夢の設定がまるでわかっていなかった。まず、自分が目覚めた部屋を知らない。何故そこで目覚めたのか分からない。部屋の間取りや様子が自分の部屋(として自分が夢のなかで記憶しているもの)とはまったく違うし、あるはずのない仏壇などがあったりする。昨日寝る時に、部屋をまちがったのだ、と思った。だが、外に出てみると、間違うもなにもそもそもまったく見ず知らずの場所で、しかも「時代」も微妙にズレているようなのだ。まったく見ず知らずのおじさんがやってきて、まるでぼくのことをよく知っているかのように話しだした。これは一体どうなっているのか。本当にパラレルワールドにとんでしまったのではないか、と、ぼくは夢のなかでリアルに思った。こんなことが現実にあり得るのか、ということよりも、昨日までぼくにとって現実であったものが、こんなにも簡単に、こんなにも唐突に途切れてしまって、夢がまぼろしのようなにすべて無しになって、もう二度と戻ってくることはないのだろうか、と思い、激しい寂しさが襲った。もう前の世界とは完全にアクセス不能になってしまって、ずっとこの世界で、前の世界の記憶をひきずったまま、しかし途切れたまま、今後死ぬまで生きて行けというのか。それは激しく絶望的な寂しさであるのだが、その寂しさと怒りにも似た理不尽さを感じながらも、三分の一くらいは既に、その状況を受け入れかけ、あきらめかけてさえてた。しかし、こんなSFみたいなことが実際に、しかも何の前触れもなく起こってしまうのが、この世界の現実というものなのか、そんなことはまるで知らなかったし予想すらもしてなかった、と呆然とした。いや、だいたいこんなこと予想なんて出来るはずないではないか。人間の精神では抱え切れない、あまりに残酷な宇宙の法則に触れてしまったのだ、と。繰り返すが、その感覚はものすごくリアルだった。しばらくして「この現実」に目覚めて、あ、夢だったのか、と思ってすごく安心した。しかし、目覚めて、これを書いている今も、世界の設定が唐突に切り替わってしまった時の、あの感触は全然消えないで、増々リアルになるかのように残っている。もう、「この夢を見る前には戻れない」っていう感じ。
●原稿以外のもうひとつの仕事も、明後日くらいまでにはなんとか終えて、そしたら、電車に乗りに行く!(6日の日記参照)。最初は、横須賀線京浜急行に乗りたい。今からわくわくする。ただ、雨の日は避けたい。