●散歩をしていて、火の見やぐらみたいな背の高い古びた赤い骨組みを遠くに見つけて、何だろうと近づいてみたら、銭湯の煙突だった。そんなところに銭湯があるとは思ってもいなかった。古い建物なので、おそらくぼくの子供の頃からあったのだろう。確かに、表からは絶妙に分かりにくく引っ込んだところにあるのだけど、バスの通る大通りから10メートルも離れてないところで、何でこれに今まで気付かなかったのか。そもそも、あの高いやぐらみたいな建造物に今まで気を留めたことがなかったというのが不思議だ。地元は、よく分かっているようで案外死角が多い。むしろ死角だらけ。
●二月に入って、ようやく冬になったという実感がわいてきた。この寒さが冬だ、というような。