●『たまこまーけっと』10話。これは素晴らしかった。先週も良かったけど今週はさらにすごい。2話に匹敵するクオリティの高さ。9話について(というか、『たまこまーけっと』という作品について)、すごく良いのだけどすごく面白いとは言えないみたいなことを前に書いたけど、ここまでくればすごく面白い。2話と10話があるだけで傑作と言っていいんじゃないかと思い直した。別に何ということもない話が、演出でこんなにまで面白くなるのかと驚かされる。小川太一という人の演出。
しかし、何がどう面白いのか言うのはむつかしい。全体のリズム、場面の転換のタイミングと場面の配置、その緩急、セリフのやり取りのテンポやトーン、登場人物の動きや仕草や表情、その組み合わせと重ね合わせ、視点の切り替え、それぞれのキャラの役割の噛み合いと絡み合い方、色の配置、反復と差異の仕掛け方、フレームへのモノや人物の出入り、小物の配置や小ネタの挟み方、その密度、等々、それらの諸要素がぴたっと噛み合って、なんとも言えない躍動する感覚を作り出している感じ。紋切り型の比喩だし、しかもぼくは普段ほとんど音楽を聴かないのでこういう言い方はどうかとも思うけど、それでもこれは「音楽が鳴っている」とでもいうしかない何かなのだろう。常に複数の要素が、並走し、絡み合い、ぶつかってはじけ、現れては消える。ぎゅっと凝縮してはぱっと緩み、がつんと当たったかと思えばすっといなされる。ごちゃごちゃしているようですっきりもしている。
●『ロボティクス・ノーツ』21話。ここにきて完全にお約束だけの展開になっている気がする。観方もどうしても雑になってしまう。でも、多くの人は物語の終わりにお約束を必要とするのかもしれない。ぼくはこの歳になってもそのことと折り合いがつけられない。
24話か26話で完結と思っていたのだけど、来週(22話)で完結するみたいだ。