●クローズドな場なので何時何処でとは言えないけど、来週、「フィクションに描かれる『向こう側の世界』が 技術の発達によってどう変化したか〜80年代から現在までのアニメから〜」というテーマで話をする予定なので、いろいろ考えている。
「向こう側の世界」とは「こちら」に対する「あちら」のことであり、文字通り、彼岸、彼方、あの世、ハレ、あるいは幻想とか夢と超越とか、そういうものの表象がこの30年くらいのテクノロジーを背景にして「構造的に(配置的に)」どう変化しているのかを考察する。
まだ細かい所まではつめて考えていないけど、おおざっぱな構成と取り上げる作品は以下のような感じ。
0,はじめに――「ビューティフル・ドリーマー」と「エンドレス・エイト」の決定的な違い(『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『涼宮ハルヒの憂鬱/エンドレス・エイト』)1.ネットと計算機の心身問題(『マイクロチップの魔術師』『攻殻機動隊(押井版)』『シリアル・エクスペリメンツ・レイン』)2.相対性理論的な感情――「いま」の消失(『トップをねらえ!』『ほしのこえ』)3.拡張現実と拡張身体――「ここ」の消失(『電脳コイル』『ロボティクス・ノーツ』)4.一/多関係の変質――表象-代行の崩壊――と結節点としてのキャラ・感情(『攻殻機動隊(神山版)』『ガッチャマン・クラウズ』『南極点のピアピア動画』) 5.ループする量子論的物語(『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』)6.中二病的な重ね描きされた世界――「こちら」と「あちら」の融合=断絶(『AURA』『中二病でも恋がしたい!』『繰繰れ!コックリさん』)
(『マイクロチップの魔術師』と『南極点のピアピア動画』はアニメではなくSF小説です。)
なので、この一週間はアニメ漬けになる感じ。