●午前中、尾道の山手地区を歩く。文学館。「怪傑黒頭巾」を書いた人が「宇宙戦艦ヤマト」のノベライズを書いていることに驚く。林芙美子の交友関係を、横軸に長い、短い、縦軸に深い、浅いをとった四象限の図で示されていた図があって面白かった。恋愛対象の人はすべて「深い・短い」のところに配置されていた。管理しているお爺さん二人が話し好きで、尾道の歴史を延々と語ってくれた。尾道には古い寺がたくさんあるが、それらは皆、豪商が自分の菩提寺が欲しくて建てたもので、武士が政治がらみで建てたものとは違う、と。
志賀直哉が半年滞在して『暗夜行路』を構想した住居があり、小説そのままの三件長屋の一番奥で、小説とほぼそのままの風景が今でも見られる。
そのほか、千光寺、展望台、牡蠣タコ丼、プール、尾道城(…)、急勾配……。
午後からは、山陰本線で福山へ。そこからバスで「ポニョ」の聖地、鞆の浦へ。地元の人は鞆の浦を「とも」と言うので、人の愛称みたいに聞こえる。




しばらく海辺を歩いてから、商店街(最近、「流星ワゴン」というドラマのロケ地になったようで、そこだけ若い人がたくさんいる)をぬけて、高台の方へ歩いてゆくと、景色が一望できるお寺があって、その境内で一休みする。鳶が飛んでいて、すごく静かだ。昼寝したい。
鞆の浦から船で仙酔島へ。住人がいなくて国民宿舎とキャンプ場があるだけの島。地元の人は海水浴や臨海学校で必ず訪れる場所だという。海沿いに島の四分の一くらいを歩き、山を登って来た方向に戻る。途中の仙人峠(確かそんな名前だった)で一休み。ここでも昼寝したいが、それにはやや寒いし日も暮れてきた。国民宿舎の前まで戻って、暮れてゆく海を見ながらビールを呑む。




尾道に戻って、夜は、「花あかり」「ハライソ」「YES」とハシゴして遅くまで呑む。「花あかり」では土筆の天ぷらをサービスしてもらった。「ハライソ」と「YES」は尾道のディープな人たちが集まる場所だという。光明寺会館ですごく面白い作品を展示していた杉江くんというアーティスト呑んでいて、少し話した。
(追記・この書き方だと、下の写真が杉江くんの作品だと勘違いされる可能性があると気づきました。下の写真は鞆の浦にあったポニョ的な何かです。)