●ホログラフィック原理についての話を聞いた。ホログラフィック原理と言えば思いつくくのがブラックホールと熱力学の第二法則との整合性についての話だ。ブラックホールに呑み込まれたものの情報はこの宇宙から消えるから、宇宙全体としてエントロピーは決して減少しないという熱力学の第二法則との間に齟齬が生じるのではないかという疑問があり、それに対して、ブラックホールの内側の情報は、すべてその事象の地平面上に反映されている(地平面上に情報として書き込まれている)から、宇宙全体としてのエントロピーは減っていないことになるのだのだ、と。
これは、三次元の物理の情報を二次元の物理に完璧に書き直せる、三次元の物理過程を、その二次元境界面について定義された別の物理法則によって完全に記述できる、ということで、ここから、ホログラフィック宇宙論(この宇宙内部の物理的過程は、無限遠にある境界平面で起きていることのホログラム的な投射である)という考え方も可能になる。
で、この関係は相対性理論(四次元・古典物理学)と場の量子論(三次元・量子物理学)との間にも成り立つのだ、とのことだった。バカな言い方だけど、これ「宇宙の秘密」感がすごい。上位の次元の古典論が、その下位の次元の量子論によって包摂される、あるいはそれらは同値である、と。
(三次元と二次元、四次元と三次元の間で可能だからと言って、五次元と四次元との間で可能だとは言えないし、一般的に、n次元とn−1次元の間で可能だと、言うことは出来ないわけだけど。)
●この時に見せてもらった本のタイトルを忘れてしまった。適当にうろ憶えのキーワードをいれて検索してもその本はヒットしない。数式ばかりの本だから、ぼくがみてもほぼ理解できないけど。こういうことを数理的に追える人でありたかった。