●編集者と打ち合わせ。「幽体離脱の芸術論」の、最初のラフスケッチのような文章をある媒体で発表させてもらえることになった。これは、とてもありがたいことではあるけど、まだ、雲のように広がっている構想の段階でもあるので、これをある程度まとまった塊にするのはけっこう大変なことでもある(でも、こういう機会でもないと、なかなか収束させることができない)。
『虚構世界はなぜ必要か?』を本にするための原稿の直しもあって、二月はちょっと忙しい(というか、余裕のない)感じになるかもしれない。
●『PARKS』(瀬田なつき)をDVDで。ものすごい傑作というわけではないにしても、とても楽しく観られた。ほとんど自分の知っている(行ったことのある)場所で撮影されている、フィクションの映画を観るのは不思議な感じでもあった。
出てくる場所の位置関係がだいたい分かると、出来事が起こる範囲があまりにも狭いところに集中し過ぎているのが、ちょっと気にはなった。井の頭公園から最も遠くても、せいぜい成蹊大学くらいではないか。
いかにも井の頭公園であり、いかにも吉祥寺の街だという風景が沢山出てくるのだけど、もうちょっと、吉祥寺の街や井の頭公園の「意外な表情」みたいな感じが拾えると、もっと良かったように思う。ちょっとしか出てこないけど、大学の先生役の佐野史郎がとてもよかった。
(井の頭公園の空間はもともと、どこをどう切っても「井の頭公園」にしかならない、という難しさがあるのだなあとは思った。)
あと、相対性理論によるエンディング曲は、なくてもよかったのではないか…、と。音楽の映画でもあるだけに、そこだけがちょっと違う、みたいな感じがした。