2020-06-25

●『ラディカル・マーケット』の著者の一人、E・グレン・ワイルが本の内容を「5つのアイデア」として自ら要約している。

ブロックチェーン開発者も注目する「ラディカル・マーケット」、著者のスピーチを紹介

https://coinchoice.net/author-of-radical-market-speech-at-edcon/

《1つ目は「Common Ownership Self-Assessed Tax(共同所有自己査定税)」だ。財産の所有者は自身でその価値を査定し、およそ7%の税金を支払う。この資産は自己査定額で購入したいと考える誰に対しても販売される準備ができていなくてはならない。この購入金は社会的配当として返還される。》

《2つ目は、「Quadratic Voting(二乗の投票)」だ。各市民には「ボイスクレジット」と呼ばれる予算が平等に配分され、それを使ってさまざまな課題に投票する。より多くの票を集めたアイディアが採用される。この仕組みにより、投票者にとって最も重要な課題が何かを表明することができる。同じアイディアに複数票を投じるために必要なクレジットは、1票なら1、2票なら4、3票なら9というふうに二乗で増加する。》

《3つ目は、「Visas Between Individuals Program(個人間のビザプログラム)」だ。この仕組みは、移民による利益を、移民を雇用する大企業ではなく、移民を受け入れる裕福な国の一般労働者に集めることで政治的なインセンティブを産み、移民を劇的に増加させる。》

《4つ目は、「Dismembering the Octopus(タコの手足を切り離す)」だ。今日の市場の力の源は、アンチ・トラスト法によって規制することができていない。アンチトラスト法では、労働者からより多くの力を得ようとする企業を規制し、合併を防ぐことはできない。また、企業経済のほとんど三分の一をコントロールする巨大な投資機関を規制することもできていない。》

《5番目は、「Data as Labor(労働としてのデータ)」だ。毎日私たちがFacebookGoogleのようなサービスに提供しているデータが機械学習の基盤となっている。そして、そのような機械学習システムが、私たちから仕事を奪うと言われている。私たちが提供するデータを労働として扱うことができれば、デジタルエコノミーはすべての人々にとって失業の脅威ではなく機会の源となる。》