2020-10-08

●昨日観た『わたしのSEX白書 絶頂度』(曽根中生)で、芹明香、益富信孝、村国守平の三人がすき焼きの鍋を囲んでいる場面(やきもちを焼いた芹明香が益富信孝の頭に鍋の具材である野菜をぶちまける)を観ていて、『ツィゴイネルワイゼン』(鈴木清順)で、大谷直子原田芳雄藤田敏八の三人がすき焼きを食べている場面を思い出していた。すき焼きの鍋を囲んでいるという共通性だけでなく、三人の関係性が似ている。大谷直子は、野菜をぶちまけるのではなく、鍋を千切りコンニャクで埋め尽くしてしまうのだったが。

●『熟女 淫らに乱れて(スリップ)』(鎮西尚一)がアマゾンで観られるようになっている!!

●先月は、驚くべきことに、文芸誌に「新人」とされる作家(文芸誌では、未だ芥川賞を受賞していない作家が「新人」とされる)の小説が一つも掲載されていなかったので、「新人小説月評」がお休みとなった。そのおかげで、時間的にも精神的にも余裕が出来て、その余裕があったおかげで、『王国 (あるいはその家について)』(草野なつか)と『彼方より』(高橋洋)という、きわめて手強いであろうことが事前に予想される映画を観ようという気持ちになれたし、実際に、とても手強く、かつ、とても充実していたこの二本の映画を観て、それらについて、それなりの時間をかけて考えることができたのはとてもラッキーだった。

だが、余裕のある一ヶ月はあっという間に過ぎて、もう今月分の文芸誌が発売されたのだし、そこには多くの新人作家の小説が掲載されているのだった(「新潮」「文藝」「すばる」には、新人賞を受賞した小説が掲載されている)。