2021-06-29

●寝る前に、酒飲み番組を観ながら酒を飲む。今は、U-NEXTで配信されている、森脇健児の「孤島酒場」という番組を観ている。タイトル通りに、森脇健児が孤島に行って酒を飲むという内容で、第一回目が伊豆諸島にある青ヶ島という島だった。ここはまず見た目のインパクトが強く、島全体が火山の火口で、島がクレーターみたいな形で周囲が切り立っていて中が窪んでいる。火山島のため噴気口がたくさんあって、常に熱い蒸気が噴き出していて、それを利用した地熱釜が誰でも無料で使えるという。

人口は160人程度で、日本で一番人口の少ない地方自治体で、島全体が無番地で、郵便物などは「青ヶ島 名前」で届くという。島には基本的に信号がなくて、ただ、小中学校の前に一つだけ、子供の教育用に信号が設置されている。森脇健児が島の神社にお参りに行くが、なんというか、とてもいい感じに荒れ果てている。

人口が160人しかいないのに、杜氏が10人もいて、それぞれに特色のある島の焼酎をつくっているという。さらに、火山島の地熱を利用して製塩する「ひんぎゃの塩」という天然塩も名物だ、と。森脇健児が港へ行くと、これから東京に出荷するのだという牛が船に乗せられているところだったりする。

とにかく、いろいろと面白い島のようで、島の紹介が一通り終わって、日も暮れて、さあこれから本番の「飲み」の場面にはいっていく。こんなに特徴のある島で、一体どんな島の料理が出てくるのかと期待が膨らむ。ところが、居酒屋に入ってもメニューがチェーン店のようなものしかない。島の料理はうちでは出さない、島の料理は旅館でしか出ない、島の人間は島の料理など食べない、ということなのだった。

森脇健児は仕方なく無難に焼き鳥を注文する。「青ヶ島まで来て焼き鳥…」とぼやき、出てきた焼き鳥を食べた森脇は、「辛い、塩をふりすぎ、こんな辛い焼き鳥たべたことがない」と言う。島の料理がないだけでなく、普通の料理も不味いのか…。ふり過ぎの塩も別に地元の天然塩ではなく普通の塩だという。森脇健児には、ただただ地元の焼酎を褒めるくらいしか出来ることがない。なんだこの(斬新な)オチは、と思った。この手の番組でこんな終わり方があるのか。