2021-06-30

●なんとなく観たのだったが、「100分de名著」の「旧約聖書」の回が、すごく面白かった。「イスラエルの民にとっての唯一神」だったヤハウェが、どういう歴史的、思想的経緯で、「創造主としての唯一神」に発展していったのかとか、律法(掟)を介して神と直接契約することによって人と人との関係が平等化するとか、困難な状況から脱して豊かさと安定を得ると多神教化するとか、御利益を与えてくれる存在としての神が「沈黙する(何もしてくれなかった)」ことによって「罪」という概念が生まれるとか、民がバラバラになっても「掟」の共有によってアイデンティティか保たれるとか、聖書の成文化のきっかけがエルサレムの民を支配したペルシャからの(外的な)要請だったこととか、ヘレニズム文化の影響で人々(個々)に「知恵」がついた結果として信仰の自己正当化の傾向が発生してそれに対する抑制としての神学論争が必須となるとか、また、それとパラレルだが、個としての「神への問いかけ(疑問)」の不可避姓と、しかしそれを必ず上回るものとしての神の絶対性のカップリングとか。そして、まさに「掟破り」として現われるイエスとか。

加藤隆という人が講師だった(Wikipedia)。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E9%9A%86