2021-10-21

●ロベルト・ムージルの「トンカ」。この、難解でゴツゴツとした小説を、講義のために必死で噛み砕いてみるのだが、噛み砕いてみると、予想以上に筋が通っているというか、論理的な整合性に従った展開がされているのだと、今回、はじめて感じる事ができた。

(非論理的なものにかんする、きわめて論理的なアプローチがなされているように思う。)

ただ、噛み砕くとは言っても、あくまで日本語訳を噛み砕いているのであって、この噛み砕きは、翻訳の正確さや精度に依存しているのたけど。外国語で書かれた小説(翻訳)を読み込んでいく時、いつもこの問題にぶち当たるのだが、語学の出来ない者としては、とりあえずは「ここに書かれている日本語訳」を信頼して深掘りしていくしかない。