2024/05/01

⚫︎荒川修作は、下のような強い言葉を言う。まず最初に一撃を「かまして」くる。この、まるで詐欺師のような「かまし」を、どのように受け取るのか、「かまし」に対してどのような態度を取ればよいのか。少なくともこの35年以上、そのことはずっと頭にあり続けている。以下のアラカワの発言は、「季刊思潮No.1」(1988年)より引用。

《僕が言っていることを知ることはできても、信じることはそう簡単にできないでしょう。なぜならあなた達は学校やいろんな所で、時間とはどういうものであるか、空間とはどういうものであるか、大体教えられて、身をもって経験してきたわけです。この頭の中に完全に植えつけられているだろう時間とか空間の概念を変えない限り、あなた達には一つも救いがないってことを本当に知らなくちゃいけない。》

(追記。人生の危機にあって揺らいでいるような人の前に、偉そうなおっさんがやってきて、自信満々に、「いいか、お前が今まで信じてきた常識なんてものは、全部嘘っぱちなんだよ。まずそれをわからない限り、お前はこの先どうにもならねえぞ」みたいなことを言い出して依存させようとするのは、完全に詐欺師のやり方で、もう、その瞬間にその人の言うことは一切信用したらダメだと判断すべきだ。個人的なことを言えば、ここまで露骨でなくても、少しでもカリスマ的な雰囲気を出してくる人には、もう、即、心のシャターを下ろすという感じで生きてきた。アラカワはまさにその典型なのだが、例外でもある。面白さが警戒心をはるかに上回る。いや、しかし、ほんとに例外なのか ? 、うーん。みたいな感じで、「季刊思潮」を読んで以来三十数年間、ずっと考え続けてきた。)