冷たくて強い風が吹いている。その風が舞って、落ちているビニール袋が乾いたカサカサいう音をたてながら、あっちへ行ったり、こっちへもどったりしてる。あまり見かけない、でっぷりと太ったトラジマの猫が、ゆっくりと道を横切ってゆく。小学生の集団が、もえないゴミに捨ててある発砲スチロールを、足で蹴って割っている。バキッ、バキッ、という音。小さな男の子特有の、興奮したようなカン高い耳障りな声。
展覧会のためのDMの制作が遅れている。デザインを校正したものを印刷会社にファクスで送る。しばらくして、折り返しのTEL。なんとか今月中には出来上がりそう。
「 ガキおやじ 」(いがらしみきお)を読むためだけに、「 コミック・モーニング 」を買う。今週のはイマイチ。でも、この独自の面白くないことの面白さを追求しているマンガに、ぼくはすっかりハマってしまっている。連載1回分約12ページ足らずのこのマンガを、何度も何度も、反芻するように、ゆっくりじっくりと読み返してしまう。そして同じところで何度でも笑ってしまう。笑う、といっても、爆笑なんかとは程遠い、どこかから空気が抜けてしまっているような、不発の笑いなんだけど。鼻先で、フンッ、と笑い、つまんねー、とか言いながらも、すごく嬉しかったりする。
そしてついに明日(21日)、単行本の第一巻が発売される。ぼくはこのマンガを16回めくらいから読みはじめたので、最初の頃がどうなっていたのかが、楽しみ。
午後5時前、電車の窓から、まだ明るい空に、白くて丸くてでかい月が見えた。あれって、本当に月だよなあ、ってくらいのデカさ。
夜中に、椎名林檎をしみじみと聴く。なんかだんだん好きになりつつあるみたいで、ヤバいなあ、これ。ただ、ぼくが好きなのは、キャラクターや歌詞やサウンドやらも含めた、パンク的な文脈ではなくて、あくまで、メロディーというか、楽曲が好きなんだけど。
真夜中に見上げると、眩しいくらいに明るい月。明日は、髪を切りに行こう。