朝から雨。冷たくて、重たい感じの雨。
雨の為にあたりがモノトーンなせいで、大学前の工事現場のフェンスの趣味の悪いカラーリングが、やけに際立って見える。これを見ると、体調と関係なく気分が悪くなる。一体誰がこんなとを考えるのか。ぼくは、その前をただ通り過ぎるだけだからいいけど、ここで毎日、1日じゅう働かなくてはならない労働者の身にもなってみろ、と言いたい。労働者たちは一致団結して、労働環境の改善を訴えるべきではないか。マジで。
アルバイトしている所で、『職場の標語』みたいなものを募集していて、そんなの関係ないやと思っていたら、お前も出すように、と言われ、しかたなく考えてみる。
最初は嫌々、めんどくせー、とか思いながら考えていたのだけど、いかにもわざとらしくて、白々しい言葉を見つけだしてきて、それらをあれこれと組み合わせたりしているうちに、段々と面白くなってきて、こんなのもあり、あんなのもありでしょう、と、いくつも作ってしまった。しかし、ふと、こんな何の意味も実体もない『嘘の言葉』を並べ替えて、嬉々としている自分を『俺って、なんて口先だけ、言葉だけの、くだらない人間なんだろう。』と感じてしまい、結構、落ち込む。すっかり、うんざりしてしまい、つくったなかで一番出来の悪いと思われるのを選んで、一つだけ提出しておいた。
夕方、降り続いていた雨がやみ、すーっと雲が切れて、まるでいきなり灯りをつけたように、ある瞬間に、ぱっ、と明るくなった。外にぼんやりと立っていたので、びっくりした。