03/11/21

●用事があって市役所まで自転車で行った。市役所は大きな川沿いにあって、緑の芝生の敷かれた市役所前の土手には汗ばむほどの暖かな日が降り注ぎ、ちょうど昼時のせいか、ジョギングをする人、犬を連れている人、寝そべったり、しゃがみ込んだりしている人、川面に向かって石を投げる人などが、互いにたっぷりと距離をとりながらも、ずいぶんと沢山いた。駐輪場は、市役所の玄関前に拡がる平面から東西に細長く伸びる溝のように落ち窪んだ一段低い場所にある。駐輪場の北側の壁のには、南から日の光が差し込んでいて、その壁のクリーム色を上半分だけ輝かせ、影になった下半分の部分ときれいに2色に分かれている。日光の当たった上半分の部分には、八割方葉が落ちて隙間だらけとなったイチョウの木のシルエットが映り込み、風に揺れる葉の影がちらちらと揺れている。その前に自転車を置き、チェーンロックをかけて、ウナギの寝床みたいに東西に細長く伸びた駐輪場の端にある階段を上ってゆくと、人工的につくられた滝を流れる水のシャーッという音が聞こえてくるのだった。

●午後からは、来年一月にやる個展のDM製作のための打ち合わせで、銀座のギャラリー・アート・ポイントへ行く。(画廊の方から、作家のポートレイトが欲しいと言われていたのだが、そんなものないので、ついでに市役所のスピード写真のコーナーで自分の写真を撮って持っていったのだった。照明写真みたいにならないように、心持ち顔を左斜め下に向けて撮った。)用事が済んだ後、銀座から京橋のギャラリーを観てまわる。暑いくらいの陽気で汗びっしょりになる。ギャラリー山口の地下でやっていた、下薗城二という人の写真を使った作品がちょっと面白かった。その後、青山のギャラリーGANに立ち寄ってから、代々木のギャラリー千空間で堀由樹子・展を観た。ギャラリー千空間の堀由樹子・展については、また改めて書くつもり。