クレヨンでドローイングを描いてみた

●クレヨンでドローイングを描いてみた。クレヨンの線は不思議と楽天的なものになる。良く言えば伸びやかに動くのだが、悪く言えば調子に乗ってはしり過ぎる。つい調子に乗ってはしってしまう線の制御がうまくゆかず、何枚か失敗する。しかし徐々に、ちょっと調子に乗り気味の感じではしらせたまま制御する感じを掴む。それにしても、描画材料をちょっと換えるだけで、基本的にやっていることはかわらないのに、線をひく感触や気分がかなり変わることが面白い。今日は、深緑色と黄土色のクレヨンを使ったのだが、色がかわるとまた、ひかれる線の描く軌道や表情、持続感(長さ)、刻むリズムの感覚などが微妙にちがってくる。
クレヨンという描画材の中途半端さは面白い。パステルは、顔料を直接的に画面に置くという感覚で、それはあくまで色彩のための画材であるという感じが強い。クレヨンはもっと粘っこくて持続性があり、線を描くことも可能だ。しかし、コンテよりはやわらかく、色彩感が豊かで、線としてのコントロールは難しい。
ドローイングではずっと、色彩を抑制してきた。ぼくは画家としてずっと、色彩に関する仕事をしてきたという自負があり、だからこそドローイングにおいて、中途半端に「彩り」に頼ることが嫌だったのだ。(というか、黒と白だけで「彩り」がつくれるという自負もある。)今日やったドローイングでも単色しか用いていないが、それでも黒以外の「色」の線を用いることには、軽い迷いがあった。実際、選んでいる色は、深緑色と黄土色で、色としては地味で、彩度の高いものではない。それでもやはり、色彩というのはとても衝撃的なものだ。線をひきながら、色彩の重い衝撃のずしんとくる感触を味わっていた。(描くことでしか感じられない、手から伝わってくるような色の感触というのがあって、それを久しぶりに味わった感じだ。)
●今日のドローイング(07/04/09)http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/d070409.html写真だとやはり、色はよく分らなくなってしまう。