08/03/17

●来月発売される文芸誌に載る予定の原稿の改稿をずっとやっていた。昼間は喫茶店で、いったん部屋に戻って、頭を切り替えるために散歩に行って、帰ってからまた少しやって、夕方から酒呑んでちょっと眠って、夜中に起きて、また朝までやるつもり。
●『主題歌』(柴崎友香)に収録されている二つの短編がすごく良かった。今はちゃんと感想を書いている余裕はないけど。「六十の半分」は断片的なシーンが驚くほどに鮮やかで、それが玉突きのようにして意外な方向へと動いてゆく。「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」は、もっと分厚く、じっくりと時間と空間の層を記述してゆく感じ。そのなかで、同じ空間にいて、同じような思いをもちつつも、別々に切り離された二人の人物が、一瞬交錯する。どちらも、三人称によってしか書けない数行が挿入されることで、世界が一気に膨らむ。