08/05/09

●昨日はじめて講談社に行って社屋のなかに入って、『まんが道』を思い出した。『まんが道』に講談社が出てきたかどうかは憶えてないけど、主人公の二人がビビりながらも原稿を持ち込む「出版社」って、なんかこんな感じの建物(というか、内装)だったよなあと思った。天井が高くて壁が白くて、装飾的なフレームみたいに柱がある。
大江健三郎賞の対談があったところは、いかにも講堂という感じで、あんな場所が普通にビルのなかにあるのが凄い。しかも六階だし。(しかし、かかっている肖像画がダサすぎた。)事故で電車が遅れてなければ、かなり余裕をもった時間に着いていたはずで、そうすれば、もっとじっくり建物が観られたのに、と思った。あまりうろちょろは出来ないにしても。
●最近、ぼくがお会いする機会のある人で、美術関係者以外の人のなかに、会田誠のファンがとても多いことに、少なからず驚いている。しかもその多くが女性だというのも、ちょっと意外な感じだ。昨日も、
「わたし、会田誠さんすごい好きなんですよ、ほら、手帳の表紙も会田さん」
「あ、ほんとだ。ぼくこの前、会田さんとお会いしたんですよ」
「えっ、ほんとですか、すごいじゃないですか」
という話をした記憶があるのだけど、ぼくはこれとまったく同じ話を、同じこの方と前にお会いした時もしているということに気づいた。言っているその場でも既視感のようなものがあったのだが、後から考えても、間違いなく同じことを繰り返している。
そもそもこの会話って、
「わたし○○(有名芸能人とか)の凄いファンなんですよ」
「そうなんだ、オレ、○○ならよく知ってるから今度会わせてせてやるよ」
「えー、ほんとですか、すごーい」
とか言われて、いい気持ちになるおっさんと全然かわらないじゃん(というか、まさに「それ」だ)と思って、軽く落ち込む。今になって思い返して落ち込んでるのではなく、「この前お会いしたんですよ」と今、口から出ているその瞬間にもう、ああ、これ言わなきゃよかった、と後悔していた。しかもこの恥ずかしいあやまちを、ぼくは同じ人に二度も繰り替えしてしまったのだった。
(そもそもぼくはこの日記でも会田誠ネタを使い過ぎてると思う。あの座談会はそのくらいインパクトのある経験だったということなのだろうけど。)