●つい、二、三日前に知って、今日、CDが届いたばかりなのだけど、すっかりハマッてしまった。Shotahirama『post punk』。
というか、二、三日前にyoutubeで、下にリンクするトレーラーをたまたま見つけて、映像も含めて、これにすごくハマッてしまって、すぐにCDを注文したということなのだが。
http://www.youtube.com/watch?v=ZnX77eRN3FI
このトレーラーの映像では、外を歩いている女の子が二人(髪が長い・短い)と、ホテルの部屋のような場所にいる女の子が一人、それから部屋でパソコンを使っている赤いシャツの男の子と、外にいるパーカーに帽子の青いシャツの男の子の五人が出てくる(たぶん、でも、、なかなか区別がつかない)。一人で外を歩いている髪の長い女の子が、誰かと出会ったような表情をするところに「post punk」というタイトルが重なり、カメラもそちらに振れるのだけど、その相手は示されないでカットがかわる。そしてその後はずっと、(男の子二人がクラブのような場所で並んで演奏するカット以外は)五人の人物は常に一人で寄る辺ない感じでフレームに納まっていて、そのバラバラな五人それぞれの存在している感じが、光の強い点滅と共に短いカットの連鎖で次々にバラバラなままで繋がれてゆく(ちょっとリンチっぽい)。
(髪の長い女の子はパーカーの男の子の後をつけているようにも見えるし、男の子の後をつけているところを想像している――想像上の男の子の後をつけている――ようにも見える。しかし関係ないかもしれない。パーカーの男の子は、赤いシャツの男の子の分身のようでもあるし、独立した存在のようでもある。あるいは、すべてはホテルの部屋でうたた寝している女の子の夢のようでもあり、それらすべてと切り離されているような感じの――最も強く孤独を感じさせる――髪の短い女の子の想像であるともとれる。あるいはそれらすべてが、クラブのような空間が生じさせているホログラムなのかもしれない。五人の様々な関係が想定されるが、どれも「〜のようにもみえる」というだけで決定的な根拠はなく、すべてあり得るが、すべて違うかもしれない。五人はすべて関係があるかもしれないし、ないかもしれない。)
トレーラーでは、映像と一緒に示されることで、細切れにされた様々な感触の粒立ち(切断)と短絡的接続(接続可能性)が、不定形で捉え難いとはいえ、ある一まとまり感情のようなものを立ち上げかけている(しかしそこに至る直前で寸止め、みたいな絶妙の感じが面白い)。しかしCDの方を聴くと、もっと容赦なくぶった切っているというか、感情に至ることのない感触(それは新しい非人間的な感情なのかもしれない)の粒立ちと短絡がキレキレに圧縮的に組み立てられている感じ。
音は空間の中で鳴ると複雑な反響をもつので(反響は空間の三次元性を想起させ、短絡がつくりだす非三次元的な感じを弱くするのではないか)、こういう音はあくまでヘッドホンやイヤホンで聴いて、空間的な反響がない頭のなかで鳴っているという感じが良いと思うのだけど、逆に、ライブやクラブなどでは、こういうのはどう聞こえるのだろうかという興味も出てきたりする。
●こういうジャンルに詳しいわけではなく(そもそも音楽のことは何も知らない)、これをつくった人がどういう人なのか、こういうものがこういうジャンルでどういう位置づけになるのかも何も知らないのだけど、たまたま見つけて、キターッ!という感じになった。
●検索してみたら、アーティストのブログと、『post punk』のレビューをみつけた。
http://signalphoto.tumblr.com/
http://www.ele-king.net/review/album/003602/