●『キャプテン・アース』1話から5話までDVDで観た。
設定の複雑さ(大げささ)、独自の微妙なネーミングセンス(遊星歯車装置、とか)、なんとも青臭い雰囲気、物語が(おそらく)反復的な構造をもつ事など、榎戸洋司感が満載でわくわくしてしまう。イマドキのアニメにはあまりないような垢抜けない感じがよい。「スタードライバー」の時は、久々の榎戸洋司っぽい榎戸洋司だったので、観る側としても気負って過剰に期待し過ぎてしまったのだけど、これはもう少し気楽に観ていこうと思う。
榎戸洋司も、もう五十歳を過ぎているはずで、五十過ぎてこういう脚本を書いているというのは、まさに、大人になることを封じられた「呪われた子供」だよなあ、と思う。三十代で「エヴァ」や「ウテナ」を書くことと、五十代で「キャプテン・アース」を書くこととは、重さというか、重症度がかなり違う感じがする。三十代で書いたものの呪いが持続しているというか。
(「ピングドラム」で多くの女性スタッフを採用してオシャレ感を出す幾原邦彦や、「エヴァ」をイマドキ風に作り直す庵野秀明より、榎戸洋司の方が「呪い」が深いのもしれない。)