●リヴェットの『彼女たちの舞台』を観に早稲田松竹まで行きたかったけど、用事が済まなくて行けなかった。観たかった。
https://www.youtube.com/watch?v=e5OqzmADeD0
追記。『セリーヌとジュリーは舟でゆく』のハイライトとも言える場面がYouTubeにあった(ここだけ観たのでは、何が起きているのか分からないと思うけど)。
https://www.youtube.com/watch?v=UoRXaIT9EyM
●ちょっと前に、『サンライズ』(ムルナウ)が観たくてDVDを買おうと思ったのだけど、すごく高くてやめてしまったのだった。それがYouTubeで観られることを知って、そして観た。以前持っていたVHS版のソフトより画質が良い。
https://www.youtube.com/watch?v=GnLVMREVA6M
勿論、いろいろすごいんだけど、ジャネット・ゲイナーの演技が、90年も前の人とは思えないくらい新鮮であることに驚く。普通に、今、いそうな人みたいな感じに見える。最後の方で、そのジャネット・ゲイナーが生きていたことを喜んで、隣にいる爺さんに抱きつこうとするメイドのおばちゃんの演技とかも、すごく新鮮で生々しい。一方、たとえば、都会の遊園地でワインをちょろまかそうとするおっさんとか、床屋のおっさんとかの演技は、すごく昔風の、わかりやすいボードビル的な演技だったりする。ジャネット・ゲイナーの夫の、ジョージ・オブライエンの演技も、昔風というか、サイレント的だ。
映画全体としての、世界を完璧に作り込もうとする、偏執的で誇大妄想的とも言える欲望と、ある意味、自由で自然主義的とも言えるジャネット・ゲイナーの演技とが、普通に共存しているのがとても面白い。というか、この映画は、ある意味では世界(イメージ)を完璧にコントロールしようとしているけど、ある意味ではスタイルの統一性がなくて何でもありな感じで、この、(個々の場面は)完璧なのに(全体としては)雑多という感じが、初期映画のおもしろさなのだろう。
(この映画を観るといつも思うのは、1927年には、都市で自動車ががんがん走っているのにまだ信号機がないみたいなのだが、「信号機」というものはいつごろから普及したのだろうか、ということだったりする。)