●お知らせ。「週刊読書人」2018年11月30日号 に「上妻世海×奥野克巳×古谷利裕 <別の身体を、新しい「制作」を> 『制作へ 上妻世海初期論考集』(エクリ) を読む」が掲載されています。
http://www.dokushojin.co.jp/?pid=137420526
●『獣になれない私たち』第八話は、橘カイジ(飯尾和樹)が出てきたところで泣きそうになってしまった。これぞ「演出」、これぞ「配置の妙」という感じ。この「橘カイジの出し方」だけで、このドラマがいかに優れているのかが分かる。おそらく飯尾和樹はあんまり演技が出来るという人ではないのだと思うけど、演出によってここまでもたせることができるのか、と。青いTシャツと黒い中指の爪---中指だけ菊地凛子と同じ爪の色---がすばらしい。
あと、この回で松田龍平がバスに乗っている場面がはじめてあらわれる。今まで、バスのなかは新垣結衣のための場所だった。このような、(様々なレベルでの)図形的(形式的)な位置の入れ替えというか、文脈的な入れ替えの操作が、このドラマの多視点的なパースペクティブの転換を成り立たせ、支えている。