2020-01-08

●自分が好きに決まっている映画を改めて観ることで、映画を観られるようになろうとするリハビリ。『ゲームの規則』(ジャン・ルノアール)をU-NEXTで。すばらしかった。

(この映画を前に観たのはおそらく九十年代の終わりくらいで、VHSのソフトで観たと思うのだけど、今回観ていて、かなり細かいところまでけっこう憶えていたので、割と最近観ていて、それを忘れているのかもしれない。)

●「文學界」で「新人小説月評」をやることになったので、発売日になると文芸誌がすべて送られてくる。それで気づいたのだが、「すばる」主催の「すばるクリティーク賞」という批評を対象とした公募があって、その最終候補の五作のうちの一つに、「多次元性新生児---古谷利裕の作品がゴミまたは糞であることの可能性---」というテキストがあって驚いた(書いたのは永瀬恭一さんだ)。

(ぼくの「single stroke structure」というシリーズについて論じているみたいで、まあ、これはまさにゴミと区別がつかない作品なのだが。)

受賞作はなし、という結果だったが、「選考座談会」をざっとみてみると(ちゃんと読んだわけではないので不正確かもしれないが)、全体に低調だ、みたいな空気ではあるものの、最終選考に残された五作のなかでは永瀬さんのテキストが相対的には一番評価が高いみたいな感じだった。もう一押しあれば、受賞はなくても「佳作」という可能性はあり得た感じ。惜しかった。

それにしても、「自分の作品を対象として書かれたテキスト(それ自体をぼくは読んでいないのだが)」の評価について交わされる議論を読む(このときぼくの作品は、議論の対象の、そのまた対象ということになる)、というのは、奇妙な距離感で、はがゆい感じだ。

●以下は、「single stroke structure」シリーズの、いくつか。

(一枚の四角い紙---長方形か正方形---をそのまま使い、千切って、ねじって、貼り付けるという作業だけでつくる作品。何も足さないし、何も引かない。紙を切り離すこともしないので、貼り付けた部分を剥がすと、元の四角い平面に戻る。四角い形は保たれている。素材は、ポストカード、フライヤー、付箋、アマゾンの箱に入っていたボール紙など。つまり、そこら辺にあった紙。)

 

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