2021-10-24

●あるYouTuberがお気に入りの香水の紹介をしている動画をたまたま観た。その人は、匂いを言葉で説明するのは難しいんだけど、と言いながら、酸味はほとんどなくて、甘い系の香りで、でもくどい甘さじゃなくて、スモーキー系というか、パウダリー系の甘さ、と言っていて、ぼくは香水に関する知識などまったく持っていないのだけど、その言葉を聞いて、具体的な匂いがイメージできてしまったことにびっくりした。パウダリー系の甘さ、という言葉によって具体的な匂いのイメージ、匂いの感触が表現できる(喚起される)ということは、言葉のもつイメージ喚起力の驚くべき側面なのではないか。

(ぼくが全然知らないだけで、「パウタダリー系の甘さ」という語は、香水の匂いを表現するための常套的な語彙の一つなのかもしれないのだが、少なくとも、ぼくは香水の匂いについて表現する語彙の差異の体系を知らないのに、その匂いを直接的・直観的にイメージできてしまったのだ。)

(服飾系の通販番組などで頻繁に使われている常套的表現である、「落ち感」「抜け感」という言葉も、はじめて知った時は、その表現力と的確さに驚いたものだった。)