2021-12-08

●『母娘監禁・牝』を観たので、加藤善博つながりで『パンツの穴 キラキラ星みつけた!』(鎮西尚一)をDVDで観た。この映画は過去に何度も観ているわけだが、変な言い方になるが、今回がいままでで一番面白かった。様々なことが「おお、そういうことなのか」とすんなりと腑に落ち、しかし同時にそれらが新鮮な驚きをもたらしてくれた。ようやくぼくがこの映画に追いついた、ということか。

すごく的外れなことを言うのかもしれないが、オリヴェイラを感じた(オリヴェイラを引用しているとか、影響を受けているとかではなく)。

鎮西尚一がこの作品以外にアイドル映画をつくっていないということは、とても惜しいことではないか(『Ring My Bell』はコアベルのアイドル映画かもしれないが)。鎮西尚一がアイドルを撮るとオリヴェイラになる、というトンデモ説を、ここにためらいがちに記す。

広田玲央名が、天本英世の追悼のために「ダニー・ボーイ」を歌いながら窓の外を通るのを見た室内にいる人々が、それに合わせて歌い出す場面の、その歌声の徹底的な揃わなさ(いわゆる「下手さ」)には、たんに「ゆるい」とかそういうことではなくて、これだ、これなんだよ、と思わされるものがあった。