2022/03/17

●お知らせ。文学ムック「ことばと vol.5」に、短編小説「騙されない者は彷徨う」が(今回は「私小説?」です)、浄土複合が発行する芸術誌「Jodo Journal 3」に、「桂離宮とバイロケーション(柄沢さんとの思い出とその作品について)」というテキスト(柄沢祐輔桂離宮とエリー・デューリングについてのテキスト)が、それぞれ掲載されます。どちらも発売は四月中旬だそうです。

「ことばと vol.5 ことばとわたし」

www.kankanbou.com

「Jodo Journal 3 特集:距離と創造性」

jodofukugoh.com

●『まあただよ』(黒澤明)をU-NEXTで観た。時々、とても幸福な夢を見て目覚めて、しばらく幸福の余韻にひたると同時に、その幸福のあられもなさに、自分が求めているのはこんなことだったのかと、呆れ、恥ずかしく、いたたまれなく思うということがある。この映画は、黒澤明にとって、まさにそのような「(恥ずかしくてとても人には言えないような)老人の幸福な夢」そのものなのではないかと感じて、ほっこりすると同時に、そこまでべろっと欲望丸出しでいいのか、とも思うのだった。

(自分は、映画作家として世界の巨匠と称されるまでになったし、多くの若い映画作家が自分を尊敬してくれる。でも、自分がなりたかったのはそんな状態ではない。「先生」みたいになりたかったんだ、と。)

(ただ、ここまでべろっと欲望丸出しの映画がつくれてしまうのも、世界の巨匠の特権だとも思うのだが。)