2023/02/01

●目が覚めて、まだあと一時間は眠っていられると思って二度寝した時に夢を見ることが多い。というか、そういう時の夢は、起きてからも憶えていられることが多いということだろう。

●何か重要な用事(大切な頼まれごと)があってある医者を訪ねる。川沿いの土手道が新幹線の線路と交差する手前の路地を入って、その路地の奥から二、三軒目にその医者のいる医院があるはず。しかし何度も通ったその道に医院はない。入る路地を一本まちがえたのか。いいやここで間違いはないはず。近くで近所の人たちが集まって立ち話をしていて、焦ってうろうろ行き来しているぼくを胡散臭そうに見ている視線を感じる。ぼくは、何度も前を通ったことのあるよく知ったその医院の名(○○医院)がどうしても思い出せなくて、近所の人たちに「ここにあった○○医院はどうしたんですか」と聞くことができない。

●喫茶店である女性と対面している。ぼくのズボンに多量の砂がついていることを女性から指摘される。その砂はきな粉のような色で、粒が細かく、軽く湿って柔らかくてフワっとしていて、とても良い香りがする。この砂をとても気に入ったのですが、どこの砂ですか、と女性に尋ねられる。ぼくは、夢の中で砂漠を歩いていたことを思い出すが、そんな非常識なことはこの女性に向かって言えないなあと困ってしまう。

●石造りの重厚なショッピングモールの外に出ると、広大な掘削地が広がっていた。剥き出しの土が、深く削り取られた部分と高く盛られた部分とで、なだらかだが起伏の大きい凹凸をいくつも作っている。ずっと先まで続く広大な掘削地のその先にも、平坦な荒野のような土地がさらに続いていて、さらに先には鮮やかに青々と煌めく水をたたえた大河があって、その先には森がある。それは、今まで自分が見たどんなひろがりよりも広大な光景で、地平線という概念が消失してしまったかのようにずっとずっとどこまでも先が見えて、しかもどんなに離れた場所でもくっきりと鮮やかに見える。ぼくはその土地をなぜかスペインだと思っていて、こんなに遠くまで来たのだなあとしみじみ思う。

(追記。目が覚めてから、なんであのすごい光景を写真に撮っておかなかったのかと後悔したが、夢の中で撮った写真は夢の外に持ち出せない。)