2023/08/26

⚫︎寝る前に、お酒を飲みながら、飲酒、飲食を絡めた軽めのドラマを配信で観るという習慣がある。「ワカコ酒」とか「晩酌の流儀」とか「居酒屋ぼったくり」とか「北欧こじらせ日記」とか「丸純子のおいしいひとり酒」とか「絶メシロード」とか「居酒屋新幹線」とかを、少しずつ観る。適当に、それっぽい感じのものを探して観ていて、出来不出来もまちまちだが、そういう中で、素晴らしく面白いというわけではないとしても、なんとなくいい感じだと思って観ていた「ちょこっと京都に住んでみた。」「名建築で昼食を(シーズン1/シーズン2)」「À Table!~歴史のレシピを作ってたべる~」が、すべて、監督吉見拓真、脚本横幕智裕、音楽ベンジャミン・ぺドゥサックという、ほぼ同一のチームで作られていることに気づいた。基本として、京都案内、建築紹介(+ランチ)、歴史上の人物が食べていたものの再現、などが主で、つまりまず「ネタ」が先にあって、そこに微妙にドラマが絡んでくるという構成だが、そのドラマ部分が重すぎず、しかし、とってつけたようないいかげんなものではなく、程よくリアルだったりするところや、演出も、前に出て来すぎない程度に、しかし結構工夫されている感じが、良い感じだ。

À Table!」は吉祥寺が舞台だが、いわゆるメディアに出てくる吉祥寺とは反対側というか、井の頭公園を池伝いにずっと先まで歩いて行って、その先にある郊外の住宅街としての吉祥寺の感じで、吉祥寺っぽいイメージが井の頭公園の池くらいしか出てこないところとかが凝っている(ただ、相対性理論量子力学について語られることは「これだから文系は…」と言われちゃう典型的なやつだ)。主人公夫婦の共通の趣味や、彼らが吉祥寺に住んでいる理由などの背景に明らかに「大島弓子」という存在があるのに、その名前をあえて一度も出さないというセンスとか(「少女漫画」としか言及されない)。「ちょこっと京都に住んでみた。」でも、近藤正臣が住んでいる町屋の空間がとても面白い、とか、そういう細かいところの作り込みが丁寧。そこまでマニアックではないし、捻りすぎてもいなくて、ちょっとした一捻りが効いているというくらいの感じ。なんとなく観てたら「あれ、これ意外にいいんじゃね」となる感じ。このチームには要注目か。