●保坂さんから激推しのメールが来た「はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす」を観に、吉祥寺美術館に行ったのだけど、写真の展示はここではやっていなくて、井の頭自然文化園の彫刻館でやっているのだと言う。六時過ぎに行ったので自然文化園はもう閉まっているので、記録集を買って帰ってきた。
●都心に出る(吉祥寺が都心なのか分からないけど、新宿を経由するので「都心に出る」でもいいと思う)ついでに、清水さんがツイ―トしまくっているハーマンの『四方対象』を買ってこようと思ったのになくて、調べたらまだ発売の十日前だった。
●新宿の駅で電車を降りる時、ぼくの前に母親と五、六歳くらいの男の子の二人連れがいた。ドアが開いてホームに降りたところで、母親が人ごみで少し立ち往生している間に、子供がするすると先に行ってしまい、みるみる人にまぎれて見えなくなってしまった。母親は子供の名前を呼ぶのだけど、駅はけっこう音がうるさい。見ていたぼくは、これはやばいのではないかと血の気が引いたが、しばらくして電車から降りた人たちの群れがすこし引いてまばらになると、七、八メートル先の階段のところで子供が立ち止ってこちらを向いていた。母親を見失ったと思って変に探さないで、ちゃんとその場に留まっていたのだった。子供は冷静で、親子と関係ないぼくの方が変にあせってしまった。
四、五歳の時に、迷子になった時の恐怖がトラウマのようにある。人ごみで、パッと振り返ったら誰もいなかった。別次元に迷い込んでしまった感じ。焦って、探し回ってしまったので、余計に迷子をこじらせた。さらに、後で知って恐ろしかったのは、その時、祖父母と両親と出かけていたので、両親はぼくが祖父母といると思っていて、祖父母は両親といると思っていたので、そもそもぼくが消えたことが認識されていなかったということ。