2024/02/28

⚫︎オムニバス『アリア』の中のゴダールが作った篇(『アルミード』)がニコニコ動画にあった。ああ、あった、こんなの、あった、という感じで観た。この頃(『アリア』は87年公開)のゴダールの、いわゆる本編からややズレたところで作られた作品(他にはテレビのための『映画というささやかな商売の栄華と衰退』や、『フレディ・ビュアシュへの手紙』のような短編、『映画『パッション』のためのシナリオ』、『ゴダールのマリアのためのささやかな覚書』などのビデオ作品とか、レナウンのCMとか)、エスキース的な、ちょっとしたアイデアを直接的に試すみたいに、ちゃちゃっと撮って、ちゃちゃっと作ったみたいな作品が、シャープでシンプルでナンセンスでキレキレで、すごくかっこいいのだが、ゴダールでさえ、メインからややズレたような作品はなかなか観られない。80年代のエスキース的な作品にこそ、ゴダールの創造性の生き生きした感覚が(冴えた手つき、みたいなものが)、最も直接的に出ているんじゃないかと思う。