⚫︎トランプを熱狂的に支持する人がいるのはわかる気がする。破壊の享楽というのはある。しかし、アメリカでも有権者の多くを占めると思われる「常識的な無党派層」がなぜトランプに投票できるのかがわからない。常識的にみて「奴はまともじゃない」。たとえ、ハリスを嫌う100の理由があったとしても、だからといってトランプの方がマシ、とは、どう考えてもならないと思うのだが(トランプは共和党を破壊しているので、共和党支持とか民主党支持とかさえ、この際関係ないように思うのだが)。Wokeに対する反感は、それほどまでに強いのか。
(民主党が嫌い、という感情は、まあ、わかる。しかし、だからといってトランプでいいの ? 、と思う。「嫌い」という感情は、「嫌いな奴をやっつけてくれる人」が「嫌いな奴」よりもさらに「ヤバい奴」であるかもしれないという「徴し」を覆い隠してしまうのか。そして、悪い奴はいつもこの「感情」を利用する。敵の敵は、敵よりもさらに敵、ということがある。)
ある種の、正常化バイアスのようなものが働いているのかもしれない。確かに奴は時に耐え難いほど下品だが、それでも最後の一線を越えることはないだろう、実際、彼が前に大統領だった時代にも、世界は滅亡しなかったし、アメリカも滅亡しなかった、と(連邦議会襲撃事件など、ワシントンに住んでいない人には遠い世界の出来事なのかもしれない)。いやいや、それはトランプを甘くみすぎている。今回は滅亡しちゃうかもしれないのだ。まず、次の2028年には今の形の大統領選挙はもうないかもしれない。
(トランプが独裁者になるか、あるいはアメリカが分裂するか…。)
(連邦議会襲撃事件のことは、みんな忘れちゃったのかな…。プラウドボーイズとかも。)
(追記。考えてみたのだが、この選挙の結果は、ハリス対トランプの対決と考えると納得がいかないが、民主党対共和党の対決だと考えると、現政権におけるインフレや移民の増大、ガザへの対応の問題。民主党のWoke化などがあり、こういう結果になっても仕方がない、となる。だとすると、アメリカの有権者の多くは、トランプを普通の共和党の候補者の範疇にあると考えていて、トランプという人の特別なヤバさが十分に伝わっていないということかもしれない。だが、ハリス対トランプは事実上、民主主義対反民主主義の対決が民主主義的なプロセスにおいて行われているという事態であって、二大政党制という構図はすでに壊れている。この認識が伝わっていなかったのではないか。)