溝口の「 祇園の姉妹 」を観る。これは凄い。完璧というか文句のつけようのない傑作。昭和11年って、戦前だ。西暦にすると何年だ、えーと、1936年。うーん。
山田五十鈴、そうか、これが山田五十鈴なのか、と、納得。これは大女優だわ。ほんとに。幾つくらいなんだろうか、かなり若くみえるけど、既に堂々としている。堂々としている以上のものがある。立ってるだけで、もう、ほかの人と全然ちがう。
金井美恵子の「 軽いめまい 」をぱらぱらと読み返す。桑原甲子雄に関する記述。
『写真に撮られている様々な大人も子供も女性も当然持ってそれを生きた個人的な人生の歴史という物語から切り離され、けれども、想像してみるのにそう難しくはない人生を生きただろう見知らぬ人々のざわめきが見る者にめまいに似た感覚を呼びおこす。』
『ノスタルジイと失われた時間への甘美さにむろん、桑原甲子雄の写真を見ることで、人々は浸りきることなど、本当は出来はしないのだ。ここに集められた写真は、六十年という時間の流れの幅の微妙にゆらめくあえかな襞のリアルさの質において、すなわち、カメラを持った人物の、作家意識として大仰な言葉では決して語られたことのない、淡々とした足の速度と街の光景の持つある瞬間に向けられた穏やかな官能ときわめて個人的な好奇心がカメラというメディアによって、ひそやかにそっと薄くその表面を剥ぎ取った光の時間が、その光の今を寡黙にそっと主張するだけだ。』
桑原甲子雄の写真集を、しばし眺める。
午後から洗濯。洗濯もの溜めすぎで、洗濯してる間に着るものが足りなくて、超薄着。寒い、寒い。コインランドリーの乾燥器にかけている間に、食事する。晴れた空。
レンタルビデオ屋、本屋。大島弓子「 雑草物語 」を購入。捜してた本はみつからず。溝口の戦前の作品「 浪速悲歌 」、神代辰己の「 黒薔薇昇天 」、フライシャーの「 スパイクス・ギャング 」他をレンタル。
その後、アトリエで製作。くたくたに疲れる。もう本当にくたくたなので、このへんでお仕舞い。あまりにも疲れすぎてて、眠れなさそうな気配・・・。